こんにちは、はるです。子供のころ公園や道で「一円玉」「ボールペン」「ケシゴム」などを拾うたびに交番に届けていた私が、大人になってしかもドイツで、初めて道端で「クレジットカード」を拾いました(拾うものまで大人になりました笑)。日本で落とし物を拾った場合は迷わず交番に届けますよね。では、ドイツで何か拾った場合はどうしたらよいのでしょうか?対応方法について、実体験とあわせてご紹介します!
クレジットカードをどこで拾ったの?
その日は友人が遊びに来ており、友人が車を停めている場所まで見送りに行く途中で見つけました。まあまあ人通りのある歩道の片隅に、プラスチックのカードが1枚落ちていて。「何かのポイントカードかな?」なんて思いながら気軽に拾ってみたらまさかのクレジットカード。一緒にいた友人も隣にいたとん(主人)も固まりました。
一度手にしてしまったからには、放置できないのが日本人(よりによってクレジットカードだし)。そもそもクレジットカードをむき出しの状態で1枚落とすってどんな状況なんだろう?と疑問に思いつつ、放置するわけにもいかないので、持ち帰ってドイツ人の友人に相談することにしました。
落とし物の対処法をドイツ人の友人に相談
とん(主人)はご近所の仲良しRomanaに電話
- とん:「道でクレジットカードを拾ったんだけど、どうしたらよい?」
- Romana:「拾ったの?!うーん、どこのクレジットカード?」
- とん:「〇〇って書いてある」
- Romana:「近くに支店があるならそこに届けるのはどうかしら」
- とん:「土曜日だから休みみたい。警察に届けてもいいのかな?」
- Romana:「そうね、直接行く前にまずは電話して聞いてみるほうがいいわ!」
はるは仲良しのStefanに電話
(Stefanについて知りたい方は「StefanとHaru」を読んでね!)
- はる:「道でクレジットカードを拾ったんだけど、どうしたらよい?」
- Stefan:「クレジットカードを拾ったの?遺失物拾得センターに持って行くのがいいかな。」
- はる:「遺失物拾得センター!なるほど。ちなみに、警察に持って行っても大丈夫?」
- Stefan:「どこで拾ったの?近くに警察ある?」
- はる:「家の近くで拾ったの。警察は近くにあるよ!」
- Stefan:「近いなら警察でも大丈夫だよ!とっても親切だね!」
- はる:「そう、私は親切なの。前から知ってるでしょ?」
- Stefan:「初耳だ!」
ざっくりドイツ語でこんな会話をしました。
落とし物を拾ったら
日本ではすぐに「交番」が思い浮かびますが、ドイツではそうではないようです。なぜならドイツには日本のように気軽に立ち寄れる交番がないから。落とし物の種類にもよりますが、「関連性の高い場所(お店や事務所など)」「遺失物取扱所」「警察」のいずれかに届けるのがよさそうです。
関連性の高い場所
例えば美術館や映画館などで落とし物を拾ったのであれば、その場所のインフォメーションかスタッフに尋ねてみましょう。大きな施設であれば恐らく預かってくれると思われます。
今回の場合は「クレジットカードを発行している会社」に電話して届けるのがよさそうです。クレジットカードは悪用される危険性もあるため、すぐに対応できる発行元に連絡してあげるのが、落とし主にとっても安心ですもんね。ただ、残念なことにクレジットカードを拾ったのが「土曜の夕方」という、ドイツの皆さんがお休みに入る時間帯。さらに残念なことに発行元の会社は土曜日が定休日でした。
遺失物取扱所
遺失物取扱所はドイツ語で「Fundbüro」といいます。あちこちで落とされたものが最終的に集まるのが「Fundbüro(遺失物取扱所)」なので、落とし物を拾ってどこに届けるか迷った場合はここに持って行けば間違いないと思われます。
ミュンヘンにはいくつか「Fundbüro(遺失物取扱所)」があるので、代表的なものを紹介しておきます。(「Rathausのサイト」でも確認できます。)
①Fundbüro München
ホームページによると、ミュンヘンのあちこちで見つかった落とし物はここに集められるとのことです。落としものが届けられてから反映されるまでに3~5営業日かかるそうです。(ひどい場合は数週間~数ヶ月かかることもあるらしいです。そんなに待てない…。)保管期限は3ヶ月です。
住所 | Oetztaler Str. 19, 81373 ,München |
電話番号 | (089)23396045 |
ホームページ | Fundbüro München |
②MVG Fundbüro
バスやトラムでの落とし物は「MVG Fundbüro」に集められます。注意してほしいのが「S-BahnやDeutsche Bahnは対象外である」点です。バスやトラムはMVGの、S-BahnやDeutsche BahnはDBの管轄であり、別物なんですね。
住所 | Elsenheimer Str. 61, 80687, München |
電話番号 | 0800 344 22 66 00 |
ホームページ | MVG Fundbüro |
③Fundbüro München Hauptbahnhof
S-Bahnでの落とし物は、中央駅にある「Fundbüro München Hauptbahnhof」に集められます。中央駅にあるのはとても便利ですね。
住所 | Hauptbahnhof(中央駅内にあるそうです) |
電話番号 | (089)13086664 |
ホームページ | DB München |
ホームページによると、Deutschen Bahn(ドイツ鉄道)での落とし物は「Fundbüro der Deutschen Bahn」に集められるとのことですが、残念ながらミュンヘンではありません。Deutschen Bahnで落とし物を拾ったら、とりあえず③に届けてみるのがよさそうですね。
④Fundbüro Flughafen
空港での落とし物は「Fundbüro Flughafen」に集められます。「Fundbüro im Service Center」とも呼ばれているようです。(ちなみにFlughafenは「空港」を意味します。)到着後ならまだしもフライト前に落とし物をしたら、いくら空港内にFundbüroがあっても間に合うかドキドキですね。
住所 | München-Flughafen(Terminalstr. West) |
電話番号 | (089)97521370 |
ホームページ | Fundbüro Flughafen |
警察
警察はドイツ語で「Polizei」です。日本のように気軽に立ち寄れるタイプの交番はありませんが、警察署はちらほら点在しています。落とし物を拾って警察に届ける場合は、グーグルマップなどで近くにある「Polizei」を探してみましょう。
警察への行き方
私たちは最寄りの警察署に突撃訪問する気まんまんでしたが、Romanaと話した際に「まずは電話してみてね」と言われたこともあり、とりあえず電話をかけてみました。警察に電話することなんて日本でもなかなかないから、何とも言えない緊張感が漂います。(電話したのは「とん」なんですけどね。)今回は女性の警察官の方が電話対応してくれました。
①警察に電話する
(ちなみにドイツ語で男性警察官は「Polizist」、女性警察官は「Polizistin」といいます。)
- とん:「こんにちは、私の名前は〇〇といいます。」
- Polizistin:「こんにちは。どうしましたか?」
- とん:「クレジットカードを拾ったんですが、直接警察に届けても大丈夫ですか?」
- Polizistin:「もちろん大丈夫ですよ。」
- とん:「そちらは何時まで開いていますか?」
- Polizistin:「残念だけど…24時間開いているわ!」
- とん:「(笑う)では、今から届けに行きますね。」
ざっとこんな会話をしていました。とても感じのよい方で一安心!
②インターホンを押す
警察署にもよると思いますが、私たちが行った警察署は「Kriminal(犯罪)」と「そのほか」で入り口が分かれていました。「そのほか」の入り口を開けようとしたけれど開かず。ドアの横にインターホンがあったのでピンポンしてみました。
ここの警察署が車通りの多い道路に面していたこともあって、声がなかなか聞こえずインターホンにものすごく近寄る「とん」。(カメラには「とん」のどアップ映し出されていたんだろうな…と、こっそり笑ったのは秘密です笑。)要件を話すと「中に入ってね」と言われ、ブザーとともにドアが開きました。
③部屋の前で待つ
正面玄関が開いて中に入ると、部屋が2つと数人座れるベンチが1つ。部屋に入るのかここで待つのか分からずオロオロしていると、先にベンチに座っていたお姉さんが「座って待ってたら担当の人が呼びに来るわよ」と真顔でクールに教えてくれました。「クールなお姉さんだなー」と思いながら、お礼を言って隣に座り、とんと2人で呼ばれるのを待ちました。
ところが、待っても待っても誰も来ません。部屋のドアはガラス製なので、座っている場所から少しだけ中の様子が伺えます。たまに数人警察官が入ってきては出ていく感じ。「もしかして、私たち、忘れられてない?」と思い始める私たち。隣のお姉さんも心なしかイライラしているご様子です。
20分ほど待った頃、今まで無言だった隣のお姉さんに話しかけられました。
- お姉さん:「私はカードを落としたから登録に来たんだけど、あなたも一緒?」
- はるととん:「私たちはクレジットカードを拾ったんです。」
- お姉さん:「拾ったの?それなら手渡したら終わりなのにね!」
- はるととん:「(笑う)そうなんですよね。待ち時間長いですね。」
- お姉さん:「ねえ、あそこにあるインターホン押してみたらどうかしら?」
待っている時間が長いこともあって、仲間意識が芽生える私たちとお姉さん。確かに部屋の扉の横には、インターホンが設置されていました。お姉さんが「押してみて」ってうから、とんが勇気を出して押してみます。
- Polizistin:「はい」
- とん:「えっと…。」
- Polizistin:「あなたね。分かってるわ!ごめんなさいね。今日は担当が私しかいなくて。もう少し待って!」
私とお姉さんは顔を見合わせて「やれやれ」みたいな雰囲気。「待つしかなさそうね」ということで、また待ち時間がスタートです。インターホンを押してから5分くらいして、やっとドアが開きました。ちなみにこのドアはオートロック式で、警察官の方がボタンを押してくれないと外からはもちろん中からも開きません。まずはお姉さんが部屋に入っていきます。
お姉さんの手続きは5分ほどで終わりました。お姉さんは出てくると、ドアが閉まってしまわないように押さえてくれて「行きなさい!今行かないとまた待たされるわよ!」みたいなジェスチャーをしてくれたので、お礼を言ってスッと中に入りました。
④落とし物を渡す
中に入るとPolizistinが「待たせてごめんなさいね。」と謝ってくれました。あまり謝るイメージのないドイツでの謝罪にビックリ&喜ぶ私たち。「全然問題ないです!」と笑顔で答えます。電話対応してくれた本人だったので、話はとてもスムーズでした。
クレジットカードを渡すと、どこで拾ったのか聞かれたので答えました。Ausweis(身分証明書)を求められたので、とんのビザを渡します。「呼ぶから外でもう少し待っててくれる?」と言われたので、再びベンチで待ちました。5分ほどして呼ばれたので中に入ると、「持ち主の女性が落としちゃったって言ってるわ」とのこと。連絡がついたみたいで一安心です。とんのビザを返してもらって、ようやく落とし物のお届けが完了しました!
落とし物を届けるだけでも意外と時間がかかる!
今回は土曜の夕方ということもあり届け先が限られ、さらに届け先に選んだ警察署に警官が1人しかおらず時間がかかってしまいました。クレジットカードを拾ってから届け終わるまで、かかった時間はトータルで2時間くらいです。ぱっと届けて終わりだと思っていたのに…。慣れない警察署の訪問に、得意とは言えないドイツ語会話に、2人とも疲労困ぱいでした。でも、誰かの役に少しでも立てたのならよかったかなと思います!
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